光がとどまるところ | ONE DAY ONE MOMENT松本美枝子 写真展 Mieko Matsumoto Photo Exhibition



2025.6.4 wed –10 tue
14:00 –19:00

写真家・松本美枝子は、日本、ブラジル、ベルギーを行き来しながら、
風景の中にとどまる光を探し続けています。

本展では、2023 年から取り組んでいる
インスタントカメラ(instax)によるシリーズから、
小品30 点を展示します。

その時その場で出会った、一瞬の光景を、
複製のできないinstaxフィルムに写しとめた作品です。
美しい世界に開かれた、まるで小さな窓のような写真をご覧ください。


2年前から、ブラジルとベルギーに行くようになった。ベルギーで研究している、ブラジル人の作曲家と結婚したからである。

人生は不思議すぎる。今まで一度も行ったことのない国々に住まいを持ち、行き来することになろうとは、夢にも思ってもいなかった。自分の撮影スタイルもガラリと変わった。愛用している中判カメラと三脚ではなく、いつでも気軽に撮影できるインタントカメラを常に持ち歩くようになった。

地球の反対側を目指し、海を超え、12時間の時差も超えて、飛行機は進む。目を覚ますたびに、そっと窓を覗くと、朝焼けが差し込み、あるいは月の光が満ち、時には知らない街が眼下に広がっている。

地球にはまだまだ美しい光があるのだなと思って、なんとなく安心して、また目を閉じる。

遠い世界の、そういう小さな輝きを拾い集めた2年間の記録である。

松本美枝子

展示企画/ 新谷佐知子(MOVE Art Management)
デザイン/ 高野美緒子


助成

TRAVEL / kanzan gallery

松本美枝子 Mieko Matsumoto美術家、写真家

1974年茨城生まれ。主に写真や映像、テクスト、音、時には即興や関係性なども用いて、日常、人間や自然の移動などをテーマにした作品を制作。主な展示に、個展「具(つぶさ)にみる」(国際芸術センター青森、2022年)、トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2024 成果発表展「微粒子の呼吸」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2024年)。写真集に、写真詩集「生きる」(詩・谷川俊太郎、写真・松本美枝子)などがある。
Instagram:matsumotomieko_works