山小屋の窓 vol.02夜に小屋は灯る
高野美緒子
Mioko Takano
2022.9.12 mon - 18 sun
明かりが灯る時間:日没から明け方頃まで
昼のひとびとが家路に着くころ
眠らぬ遊歩者が部屋を出るころ
夜。
静かに灯るショーウィンドウを
そっとのぞき込むのが好きでした。
9月の夜、山小屋の窓にも
ほのかな明かりが灯ります
夜。
山小屋をウィンドウディスプレイに見立て
作品の展示を行います
室内には入れませんが
外からそっとのぞいて
作品を味わっていただけたらうれしいです。
3人のアーティストの作品を週替わりで展示します。
Vol 01 秋山あい
9月5日(月)〜9月11日(日)
※終了しました※
Vol 02 高野美緒子
9月12日(月)〜9月18日(日)
Vol 03 ミヤギユカリ
9月19日(月)〜9月25日(日)
展示の様子は、山小屋のインスタグラムでもご覧いただけます。
山小屋Instagram
@gallery_yamagoya
展示期間中は、作品をオンラインでお求めいただくこともできます。
夜風の心地よい季節となりました。
ぜひ、お楽しみください。
オンライン作品販売ページ
https://yamagoyabook.thebase.in/
高野美緒子アートディレクター、グラフィックデザイナー
1979年東京生まれ、静岡育ち。中学生の頃から本という媒体に関心を持ち、デザイナーを志す。武蔵野美術大学基礎デザイン学科を卒業後、株式会社日本デザインセンターに入社し、広告やパッケージデザインなどに携わる。2009年から1年間渡仏し、帰国後フリーランスのデザイナーとして活動を開始。主な仕事にVI、ポスター、グラフィック、エディトリアル、装幀などのアートディレクションとデザイン。現在は絵の展示や本をテーマとした作品制作も行っている。
www.miokotakano.com
Instagram @miokotakano_artwork
スペシャル企画
高野美緒子 展示作品 La nuit à Montmartre
タイトルは、La nuit à Montmartre、モンマルトルの夜。
高野美緒子 La nuit à Montmartre 2022
スペシャル企画 02
高野美緒子さんへの3つの質問
Q1 普段どんな作品を作っていますか?
普段は、小さなカードのような紙に絵を描いています。色鉛筆と水彩やインクで描くことが多いのですが、最近は、アクリル絵の具を組み合わせて楽しんでいます。
インスタにアップしている365seriesでは、その時々でやってみたい表現を試しています。身近なもの、部屋に飾っている花や読んだ本など、日常の中で受け取った記憶や印象からテーマが生まれています。
旅をした時に見た景色、朝起きた時の窓からの光、宿にあったカップ、美術館の情景、そういう時の記憶と結びつくことも多いですね。
ポートレートのシリーズでは人を描いています。人を描くのは苦手だけれど、人に惹かれる部分があって、なんとなく描き始めることがあります。描いている間、この人はどんな人なんだろう?と思いながら描き進めます。描き終えた時に、どんな人かが分かるんです。絵の中の人は、自分ではない別の人格。それが面白いなと思っています。
Q2 展示作品について教えてください。
タイトルは、『La nuit à Montmartre』(モンマルトルの夜)。
パリに行くたびに滞在しているモンマルトルのアパルトマンの夜を描きました。
居間にある大きな窓からはパリの景色が一望できます。
朝は陽の光で部屋が真っ赤に染まり、夜は街灯や建物の窓の明かりで街中が輝いていて…穏やかで幸せな時間が流れています。
このアパルトマンで恋人と過ごしたこと、友人たちと一緒にご飯を食べたり、一人で本を読んだこと。
朝の光が満ちるお風呂場は、見上げるとベコニアが美しかった。
部屋のあちこちに作品が飾られていて、天井まである本棚にはたくさんの本。
パリを思い出す時に、いつも浮かぶ情景。
そこでしか味わえない時間を描きたいと思いました。
旅をして残る記憶は、居心地の良い場所で過ごした時間。
ふわりと流れる風、窓からの光、心地よい静けさ。
それがパリであっても、ポルトガルやヨセミテであっても、穏やかで幸せな時間は
いつまでも私の中で息づいています。
Q3 いま、大事にしたいことはなんですか?
自分の中にあるものを飾らずに表現できるようにしておきたいと思います。デザインの仕事はバランスをとったり、誰かのために一つの答えを出す役割があるけれど、絵を描くのは自分のため。その時、自分がやってみたい、描きたいと思うものを素直にそのまま出して、表現していきたいと思っています。
企画:新谷佐知子+吉成虎維