山小屋の窓 vol.01夜に小屋は灯る
秋山あい
Ai Akiyama
2022.9.5 mon - 11 sun
明かりが灯る時間:日没から明け方頃まで
昼のひとびとが家路に着くころ
眠らぬ遊歩者が部屋を出るころ
夜。
静かに灯るショーウィンドウを
そっとのぞき込むのが好きでした。
9月の夜、山小屋の窓にも
ほのかな明かりが灯ります
夜。
山小屋をウィンドウディスプレイに見立て
作品の展示を行います
室内には入れませんが
外からそっとのぞいて
作品を味わっていただけたらうれしいです。
3人のアーティストの作品を週替わりで展示します。
Vol 01 秋山あい
9月5日(月)〜9月11日(日)
Vol 02 高野美緒子
9月12日(月)〜9月18日(日)
Vol 03 ミヤギユカリ
9月19日(月)〜9月25日(日)
展示の様子は、山小屋のインスタグラムでもご覧いただけます。
山小屋Instagram
@gallery_yamagoya
展示期間中は、作品をオンラインでお求めいただくこともできます。
夜風の心地よい季節となりました。
ぜひ、お楽しみください。
オンライン作品販売ページ
https://yamagoyabook.thebase.in/
秋山あいアーティスト
1973 年、東京生まれ。 女子美術大学付属高等学校を卒業後、'93 年にフランスに渡る。 '99 年ボルドー・エコール・デ・ボザールにて DNSEP(国家学位修士号)を取得、卒業。以降パリを拠点に創作活動と作品発表を行う。 2021 年より拠点を東京に移す。 個々の暮らしや風俗を観察することで、今を生きる人々の物語を覗き見ようとする「考現学的視点」をテーマに、日常生活のモノや出来事、建物などのドローイングを多く描く。またフォント作品を使ったイラストレーションなども行なっている。 日々目にしているのに覚えていないような日常風景を描きとめたシリーズ『Nothing Landscape』や、女性たちが所有する下着を取材した後それぞれの物語をデータとドローイングに起こしファイリングした、学問的アート『パンティオロジー』などがある。 2019 年に集英社インターナショナルより『パンティオロジー』を出版。 2021 年にŒUIL DE LOUP( アトリエ アイアキヤマ ) より『スパイ手帳』を出版。
https://ai-akiyama.com/
スペシャル企画
秋山あい展示作品 パリの裏窓「3区」
「自分を取り巻いているものを観察するのが自分のアートワークの中心だった」
という彼女は、鉛筆を使って、緻密に、そしてユーモラスに対象物を描きます。
彼女の代表的な作品シリーズのひとつが、「Nothing Landscape(なんでもない風景)」。
生まれ故郷である渋谷のネオン、パリの裏通り、そして旅先で見たふとした風景が、独特のタッチで描かれます。
今回はその中でも、秋山あいが長年住んだパリの裏窓を描いた作品を展示します。
どこかの誰かが、あくびをしたり、考えごとをしたり、誰かに電話をしたり、ぼんやりしたり、月を見たりする、そんな窓辺。
秋山あい 「パリの裏窓 3区」展示風景
スペシャル企画 02
秋山あいさんへの3つの質問
Q1 普段どんな作品を作っていますか?
「考現学的視点」をテーマに、鉛筆や水彩などで絵を描いています。
日々のくらしの中で身近にあるモノにフォーカスあてることが多いです。その対象は、お気に入りの文房具や毎日身につける下着であったり、電車から眺めるなんでもない風景だったり、または昼下がりの喫茶店での会話だったり……。観察してみると、そこにはそれらのモノを通したたくさんの物語が潜んでいるのです。
Q2 展示作品について教えてください。
パリ3 区、マレ地区の北部にあるアパルマンの窓から見た風景です。学生時代の友人のご 両親のお家です。学生の頃、ご両親がバカンスにでかけた間の留守番(猫と植木の面倒見役) として夏の間住まわせてもらった、かれこれ20 年以上も親しんだパリ窓です。
Q3 いま、大事にしたいことはなんですか?
観察し、考えること、行動し続けること、そしてそれらの表現に責任を持つこと。その自由を守ろうとすることを大事にしたいです。
企画:新谷佐知子+吉成虎維